歯を削らないためのジルコニアセラミック!

オールセラミックの世界も、少しずつメインとなる種類が整理されて、それぞれが成熟していく時期に入ってきたように思います。

また、技工士さんの設備投資により、多くの技工所でセラミックを作ることができるようになり、メタルセラミックと言われた、金属を使ったセラミックから、オールセラミックへの世代交代も急速に進んでいます。

これは、デジタル化の恩恵であり、患者様にとってもとても意味のある変化だと思います。

ただ、実際のセラミックの扱い方は今までのメタル主体の歯医者のテクニックとは違うことも多く、技術やテクニックなど独自のものが必要となります。

うまく扱えば、割れることも取れることも、ほぼないと言えるところまで、セラミックは安定していますが、丁寧に扱わないと、簡単に割れたりすることもあります。

当院では、今まで培った技術と経験を、患者の皆様にわかりやすく提供していければと思います。よろしくお願いいたします。

さて、当院ではこの夏、ジルコニアいう非常に強度があり、奥歯にも余裕をもって使うことのできるセラミックを最短1日でセットできる設備を新たに導入しました。

ジルコニアセラミックは、従来のセラミックとはどう違うのでしょう。

セラミックは現在おおまかにいって、3種類の主に強度が違うのものが存在します。

ただ、固ければいいというわけでもなく、硬くなるほど透明感が落ちやすいという傾向もあり、どれが一番というわけではありません。

しかし、奥歯の一番奥や高さのない歯、歯がないところにブリッジと言われるようなものを入れるときには、ジルコニアセラミックは、唯一の選択となります。
少し前までは、メタルフレームがなければ作れなかったものです。

通常のガラスセラミックは、600度程度で釜でやくことにより、かなりの硬度500mps を得ることができます。

焼くことのない通常のセラミックで200mpaですから、ガラスセラミックでもかなりのものです。

それに比べてジルコニアセラミックは、1500度程度の温度で焼くことが必要で700-1300mpaの硬度をもちます。ケタ違いなのです。

硬さの違いは、歯の減り方につながります。硬いほうが減らないということでは有利です。ただ、歯が現在進行系で減り続けている方もいます。

この場合は、その減り方にあわせた素材が有利なこともあります。

しかし、一時いわれていた固すぎるゆえに、反対側の歯を傷付けるという話は、色々な論文により払拭されつつあります。ジルコニアの研磨をしっかり行えば問題ないという考え方が一般的になってきているように思います。

いずれにせよ、ジルコニアには、絶対的な硬度があり、そのことは、歯のツルツル感が長く続く、長持ち、硬いので、歯を削る量を少なくすることができる。

という大きな利点を生み出します。

一番硬いものは、透明感が少し落ちますが、奥歯であれば問題ないと考ある方が多いようです。

さらに、セレックを使う医院では、1時間程度でジルコニアをつくることができることも魅力的です。(セレックと高温度ハイスピードな炉が必要です)

セレックがなければ、通常のように時間をかけて型をとらなければなりませんし、そのあと技工士さんに模型を作ってもらい、最終的に出来上がるまで二週間ほどかかってしまいます。

予定が合わなければ、もっと時間はあかかるでしょう。仮歯が取れたり、痛みが出たり、仮歯のわきから細菌の侵入を許してそれが後々の問題になるかもしれません。

ですから、1-2回程度で短期間でセットできるということは、メリットとなるでしょう。(当然現代の時間の制約の多い方にはおススメです、一度で多く進められます)

そして、ジルコニアは高度が高くキズが手つきにくいためツルツルな状態、舌が感が長く続くという特徴もあります。

ツルツルが長く続くことは、快適性と清掃性をもたらしてくれます。(虫歯にも歯周病になりにくくなります)

さらに強度が高いため、歯をあまり削らなくていいのです。これは歯をできるだけ削りたくないという方には朗報でしょう!(結果として、歯にシミが出にくく、歯が残りやすくなります、かけたりしにくくなります)

このようなジルコニアならではのメリットをもたらしてくれます。ガラスセラミックや通常のセラミックもいいところがあり、適材適所ですが、ジルコニアの優位性は確かにあります。

この前、講演会で話をされていた先生も、自分の口の中に入れるならジルコニアと言われていたのが印象的でした。

当院では、素早くキレイなセラミックをいれることだけでなくあ、多種多様なセラミックの治療をおこなっているため、その方が何を優先するのか、その歯が長持ちするためには何を選ぶのが良いのか、お話をさせていただくことができます。

興味のある方は、検診の予約か、クリーニングの予約を電話でとっていただければと思います。

その時にセラミックもしくはセレックに興味があるといっていただければ、その方にあったお話をあわせてさせていただきます。

ジルコニアを短期間で入れてみたい方には特におすすめです。