妊婦さんになったら!(^^)!(歯医者さんにて)

佐藤デンタル志木の佐藤です。

今回は、妊婦さんになったら歯医者さんにかかるにあたって気を付けることを、出産後の話も含めて書いてみたいと思います。

少子化が叫ばれて久しい現代ですが、それだけに子供が三人四人とおられる家庭は少ないと思います。それにともない妊婦さんの妊娠に関する知識は個人差があり、とにかくよくわからなくて心配ですという方が歯科医院によく来られます。

そんなこともあり、妊娠が分かった妊婦さんむけにマタニティ歯科と称して、当院のホームページにもお話を載せさせていただいています。
そのページと内容が被るところもありますが、関心の深いお話ですので、今回書かせていただきます。

妊娠がわかる時期には個人差があると思いますが、一般的には妊娠したことが分かった方は、アルコールを飲まないようにしたり、喫煙を控えたりするよう病院の先生から指導があるかとおもいます。
今回は歯科の話なので、そのあたりの話は省きますが、皆さん知っての通り妊婦さんの口から入ったものは、胎児に大なり小なり影響があるということです。

歯科の治療は、お口の中なので影響が出やすい治療といえると思います。そういう意味で注意が必要なのです。

さて、妊娠中に歯科で気を付けることとしては、
①薬を飲む必要があるときどう対応するか
②麻酔などの注射が必要なときどのように対応するのか
③レントゲンなどをとる必要があるときどのように対応するのか
という三点が大きいかと思います。

以下のお話に関しては、ある程度以上のコンセンサスが得られているお話ですが、どうしても個人差や状況によっては、判断が難しいこともあります。
ですので、あくまでこれを100パーセントのお話と考えるのではなく、一つの参考として考えていただければと思います。

まず、①の薬については、基本的には飲まないに越したことはないというのが答えになります。
どうしても必要なときはリスクの少ないといわれているお薬を出すことになりますが、完全に胎児に影響のないと言い切れるお薬はありません。
特に、妊娠15週までに関しては、大きな問題をおこす可能性もありますので注意が必要です。

ですから、親知らずの抜歯や痛みのある歯の神経を取るなどの処置はなかなか難しいといえるでしょう。
そのためにも、妊娠する可能性のある方は、事前に歯の治療や検診を受けて備えておくべきだと思われます。

②の麻酔についてですが、基本的には歯科で使用する麻酔の種類や量であれば、妊婦さんに大きな問題になるようなことはないといわれています。
麻酔薬は胎盤を通じて胎児血中に移行しますが、胎児に悪影響を及ぼす血中濃度にはなりません。
ただし、麻酔をすることによるストレスや長時間の歯科治療は、妊婦さんの負担になりますので状態を見たうえで行うべきでしょう。
安易な麻酔はよくないといえます。
しかし、お痛みが大きなストレスや身体への影響を及ぼすことも考えられますので、必要に応じて患者さんと相談をして使っていくことになります。

③のレントゲンに関してですが、歯科の場合、首より上の範囲のレントゲン照射になりますので、下半身の防護用のエプロンなどを付けての常識的な範囲内でのレントゲン撮影に関しては、大きな問題はないと考えられます。
ただ、この問題に関しても妊婦さんご本人の気持ちの問題が大きいと思いますので、どうしても必要なもの以外はとらないようにすることがよいと考えます。
また、患者さんのほうで今はとりたくないというお話があれば、当院ではとらないことを最優先して考えています。
ただ、治療上にレントゲンがあることでより的確なお話ができることも事実ですので、先生と患者さんのきちんとしたお話合いが大切ではないでしょうか。

以上の三点が主な注意点となりますが、妊婦さんの体調の変化も大きいですし、その状態を見つつ進めていくことが大切だと思われます。

これらのことを考えると、妊娠中の治療は避けたほうがいいのではということになりそうですが、逆に産婦人科の先生のほうで今のうちに歯の治療をしておきましょうという先生もおられます。
それはなぜなのでしょう。。

一つは、つわりなどにより、歯ブラシをすることが困難になり、歯周病や歯肉炎をおこす妊婦さんが多いことが挙げられます。
ホルモンバランスの問題も言われておりますが、やはり口の中をきれいにしておかないと、いろいろな問題が起こってきます。
そういった時期的な問題が起こりやすいことが一つです。

また、安定期に入った妊婦さんは、産休に入ることも多く、この時期に歯の治療にきやすいこともあります。
なかなか仕事をされている方は、虫歯などをためやすくなかなか治療に来れないこともあります。
産休中は、比較的歯科医院に来る時間も取れやすいですし、出産してからは、子育てで忙しく、また、授乳することもあり麻酔を使う治療が受けにくくなることもあり、妊娠中の治療を進められることになります。

それから、これもよく言われることですが、子供が生まれたときは新生児は無菌状態です。
それが五年ほどかけて口の中も含めた菌との共生状態を作っていくこととなります。
そのとき一番影響を受けやすいのが、お母さんということになります。お母さんの口の中の菌が子供に移るのです。
ですから、妊婦の時期に口の中の清掃や虫歯の治療を行うことで、口の中の悪い菌を少なくすることが大事になります。
できれば、一緒に住むことになるお父さんも一緒に治療をすることがおすすめです。

そのほかにも、近年お口の健康が全身に及ぼす影響が多くいわれてますし、妊娠を期にご自分のお口の中を見直すということは、ご自身の人生を考えるうえでも大きなポイントになるのではないでしょうか。とてもいいことだと思います。

歯科医のほうも妊婦であることを理解したうえで、必要な処置、必要でない処置を把握し、説明することで妊婦さんの不安も少なくなると思いますし、そういったドクターを選んで歯科医院に出かけて見られてはいかがでしょう!

近頃の歯科医院は大きく変わってきています。
痛みも少なく、説明もしっかり、いろいろと親身になって考えてくれる先生も多いと思いますので、子供のころから歯医者嫌いという方もイメージが変わる出会いがあると思います。

もちろん、妊娠する前にしっかり治したり健診を受けることもいいことだと思いますし、妊娠準備としての検診もおすすめです。
出産前に来ていただければ、出産後に気を付けることなどのアドバイスもすることができますし、その後のお手伝いもできるかと思います。
いずれにせよ、一度怖がらずに歯医者さんの門をたたいてみてはいかがでしょう!当医院もそんな方のお手伝いができるよう準備してお待ちしております!!

長くなりました今日はこの辺で、、